安倍首相の憲法観　　２０２０・２・１３

枝野代表が新党の名前を「立憲民主党」と発表した時に

一番びっくりしたのは安倍首相ではなかったのか

安部首相は国会で憲法は国の形を表すもので

権力を縛るものという考え方はもう古いと発言している。

古い憲法観を党名にするとは愚かなことだが憲法論議で

一番やりたくないジャンルなのではないか

立憲主義が正しいとは思っていないが周知させるのは難しい、

国民から選ばれた権力者が思うように国を動かせないのはおかしい。

：国の形を表す日本国憲法にも立憲主義が基本とはどこにも書いていない

　日本国憲法99条：天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、

　　　　　　　　　　この憲法を尊重し擁護する義務を負う　

　　とあるが、もともと守る気のない憲法に何が書いてあっても関係ないのだろう

権力は暴走する、その暴走に歯止めをかけるのが憲法である

国民が守らなくてはいけないのが法律であり、

国の権力者が守らなくてはいけないのが憲法だ。という考えかたが立憲主義。

立憲主義とは：憲法によって国家権力が制限されなければならない。

またその制限が様々な政治的・司法的手段によって

実効性のある状態に置かれなければならないとした考え方

立憲主義とは：憲法は、権力を制限し、国民の権利・自由を擁護することを目的とするものであり

　　　　　　　「憲法」に則って政治権力が行使されるべきであるとする政治制度のこと

立憲主義とは：君主は法の拘束から解放されているとされた絶対君主制の対極に位置する

　　　　　　　政治制度のこと（安部は絶対君主か？）

世界を見渡せば憲法には現在でも規範的憲法（立憲主義）と名目的憲法が存在するのも事実

：中国は労働者階級による民主主義国家でありその国の形を憲法で規定している

　　そしてその憲法の上に中国共産党が位置付けられ、名目的憲法の一例である

　安倍首相の考え方はこの中国の考え方に近いのだろう

安倍首相の憲法観はこの名目的憲法のほうがより近代的なのもであるとの考え方と推察される

すなわち

　　国の形を表す憲法の上に国民から選ばれた最高権力者である首相がいる

　　（訂正はしたが立法府の長であるとも発言している）

　　今はそれが私だ。

　　私が正しいと思う事が速やかに実行できないことこそ問題だ

　　世界が混とんとしている現在、政治の停滞は許されない

古い憲法に縛られていては、今なすべき事ができない

　　私の考え方が正しいことは後世の歴史が証明するはずだ

　　と安倍首相は考えているのだろう

今憲法論議をするならば

日本国としての憲法観をはっきりさせてから始めないといけない

日本国における「国家運営は立憲主義を土台とする」、

と議論対象者が確認をして初めて憲法・違憲論議がスタートするのではないか

この憲法観があいまいな今、日本国民がハッキリと立憲主義をとらない人を

最高権力者として認めるならば「違憲論議」などあるわけがない。　

是非活発な「憲法とは何か」、「日本の憲法の位置づけ」は中国と同じなのか

というレベルでの憲法論議を期待したい

2020・2・13

　　　2・16：加筆修正

文責吉野